Jacob de Senleches の音楽

  1. Fuions de ci (ballade)
  2. Je me merveil (ballade)
  3. En attendant esperance (ballade)
  4. En ce gracieux tamps (virelai)
  5. Tel me voit (virelai)
  6. La harpe de melodie (virelai)

ジャコブ・ド・サンレシュ(Jacob de Senleches, fl 1378 - 1395)は、 Modena 写本や Chantilly 写本 などに4曲の複雑な ballade と2曲の virelais を残しています。

Senleches はハープ弾きでもあったようで、ハープの形の楽譜に書いた La harpe de melodie という曲を残しています。(後述)

Senleches の音楽の特徴はリズム、極度に複雑なシンコペーション を用いることで際立っています。

Fuions de ci (ballade)
Willi Apel によると、「このバラードの Superius は、14世紀のシンコペーションの最も進んだ段階を例示する」とのことです。
Je me merveil (ballade)
この曲も複雑なリズムを持ち、現代譜の言葉で4分音符+16分音符という半端な長さのリズムが頻出して、フェイントをかけられたような感じがします。 コーダでは Superius と Contra が正確なカノンを成します。
En attendant esperance (ballade)
この曲はシンコペーションが複雑なだけでなく、三連符、四連符、六連符等、様々な音価のリズムが現れます。
En ce gracieux tamps (virelai) [MIDI], [mp3, 2.5M]
Senleches による「鳥の歌」です。 B パートにカッコーの鳴き声の掛け合いが聞こえます。
Tel me voit (virelai)
リズム的にはおとなしめな感じの virelai です。
La harpe de melodie (virelai)

「旋律のハープは」という曲で、ハープの形の楽譜に書かれています。
→ R. Hoppin, Anthology of Medieval Music の表紙 その1, その2

シンコペーション的な複雑さはそれほど無いですが、三連符系、二連符系が組合されたりするのが複雑な Ars subtilior 曲です。

なおこの曲についてまとめてみたページが次です。
La harpe de melodie のページ

Last modified: 2004/06/02