6月21日 (水)  蛹化のこと

きょうは、朝方になにかひどく扇情的な夢をみてしまい、目覚ましの時間より前に起きてしまいました。

朝刊を取りに、ポストのある庭に出ると、ポストから少し離れたコンクリートの上に、たいそう大きな青虫が落ちていました。青虫の落ちていた上部には甘夏柑の木が茂っていますので、おそらくそこから落ちたのでしょう。

お嬢さんは毛虫は好きではありませんが、青虫はどちらかといえば平気、もしくは積極的に干渉してみたい性分のようです(角の先端まで含めると10センチ近くある天蚕の幼虫など、もうこらえられません)。

わくわくと近付いてみると、それは生きた揚羽蝶の幼虫でした。動きが緩慢であるのと、つまみ上げた時の皮膚の感触と全体的な色調から察するに、これは蛹化が近いようです。

子どものころは、家の庭のパセリや芹葉についた揚羽蝶の幼虫を、祖父の植木鋏の刃先から救っては水槽に入れ、蛹化から羽化までの過程を飽きずに観察していたものでした。
飼育に用いていたのは、むかし家族が鈴虫を育てていた、函部が透明で上部に網製の蓋がついたプラスチック製の水槽です。

蛹化に際してはよい足場が必要なので、幼虫たちはたいてい上部の蓋の裏で蛹になり、その場合、蛹は無事に羽化することができました。

ですが、水槽の上角で蛹になってしまうものもたまにおり(蛹の上端が蓋の角に二点で固定され、尾端が函部の上角に固定されている様子を想起してみてください)、その場合、羽化はできても羽が水槽の角につかえてしまい、飛ぶことのできない成虫になってしまいます。

花に移してとりあえずの栄養を与えたりしていたのですが、あれらを結局どうしたのかの記憶はあいまいです。のうぜんかずらなど、蜜の多い花に移し、吸蜜管を伸ばすのを見て安堵していたのかもしれません。

少し考えて、青虫は甘夏柑の葉陰に移しました。青虫が這って行く道程を見つけるまで、少し青虫の身体を掌で支えていると、青虫はそのうちもそもそと移動してゆきました。

きょうは帰宅が遅かったので、葉元が暗くその後を見届けることはできませんでしたが、あすの朝にでも、気をつけて辺りをみてみようと思います。

写真は、昨年の夏に避暑先の杜で見かけた大きななめくじです。文庫本の長辺ほどの長さがありました。なめくじは痕がつくので触れるのは苦手ですが、動いているのを観察することには興味があります。

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