7月1日 (土)  揉み療治のこと

アメリカ旅行がお嬢さんにすばらしい減量をもたらしたことは、何度か日記に書きましたが、アメリカ旅行がもたらしたもうひとつの身体的変化には肩凝りがあります。

昨年、ハーバード大学に出かけたおりには、帰国してすぐ強い肩凝りが発生しました。今年の3月にハーバード大学を訪れたおりにも肩凝りは発生しましたが、この肩凝りは昨年ほどのものではありませんでした。これは、往路がビジネスクラスであったためであると思われます。

考えるに、肩凝りの主因はアメリカでの滞在日数ではなく、エコノミークラスの飛行機による長時間の往復にあるように思われます。横にならずに飛び続けるというのは、身体に存外の負担をかけるものであると思いました。

前回の肩凝りのおり、お嬢さんはアーキヴィストの見習いをしている研究所のスタッフのすすめで、研究所の近くの接骨院で生まれてはじめての揉み療治のようなものを受けることになりました。

着替えを貸していただいて、着替えて少し待ってから、治療台に伏せて、肩やら背中やらを手技でほぐしていただいたあと、なにか電極のようなものを患部に貼り、電流のようなものを流しつつ、あたたかな重しのようなものを患部にのせて少しうとうとしていると療治は終了です。治療台に伏せてから下りるまでは40分ほどで、これを週に2回、2月半ほど続けたところで、お嬢さんの体調はずいぶん改善されました。

今回も同じ接骨院に伺おうと、ある日仕事の帰りにまわってみると、接骨院には貼り紙がしてあり、新しいスタッフで再開院するので、いまはお休みですという旨が書かれていました。

再開院までは2週間ほどであったのですが、お嬢さんの肩に待つ余裕はありませんでした。そのようなわけで、現在は、むかしくずし字の読み方を教えあっていた知人がすすめてくれた、お嬢さんの家の近くの接骨院に通っています。

お嬢さんに接骨院をすすめてくれた知人は、研究者であり、くずし字をよく読む人であり、かつ、空手や合気道などの武道をよく嗜んでおられました。

そのためか、治療院に通っておられるのは、体型や格好を拝察する限りアスリートの方々が大半のようです。箱根駅伝のメンバーの寄せ書きや、大きな企業ラグビーチームの寄せ書きが飾ってあるところを見ると、そのような方々も通っておられるのでしょうか。肩凝りなどで通うのが少し申し訳ないような感じです。

接骨院では、妙齢の、隆々とした接骨師の方が、時間をかけて患部を広く揉んで下さいます。なにかのポイントを刺激されると声を立てるほどの力強さですが、おかげで少しづつ症状は緩和されているようです。

写真は、メリーランド大学の体育館のチケット売り場です。メリーランド大学はスポーツの盛んな大学で、特にバスケットボールとアメリカンフットボールは、全米の大学でも屈指の強さであるそうです。

写真に写っている、Mという文字を抱いた亀は、かたわらの字義の通りテラピンといい、メリーランド大学のスポーツ団体すべてに共通するマスコットです。テラピンとは英語(もしくはラテン語)で「沼亀」を意味し、メリーランド州の公式の両生類(ステイト・レプタイル)に定められています。

他の大学スポーツ団が、もう少し強そうな、かつもう少しかっこよい名前を持って活動する中で、「沼亀蹴球団」や「沼亀籠球団」という名前は少しく呑気でもあります。

そのようなわけで、テラピンズ(メリーランド大学学生スポーツ団体の総称)には、「fear the Turtle(亀を虞れよ)」という共通のキャッチフレーズがあります。呑気な図体ではあるが、強いものは強い、といったところでしょうか。

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