8月2日 (水)  茄子問答のこと

火曜日は、お嬢さんが家にいて、家事をしたり、肩や腰のマッサージのために外に出る日です。

昨日も、起きて洗濯をすませたあと、マッサージをしてくださる治療院にでかけました。

治療をしていただいたあとは、帰り道にある輸入食料や輸入台所製品を取り扱っているお店に立ち寄りました。夏にともないお嬢さんはもうすぐ帰郷しますので、甥たちがたいへん喜ぶ紙袋入りのポップコーンの素を買っておこうと思ったためです。

輸入食料や台所用品のほか、今年の春から、この店ではお店の方に縁故のあるらしい九州地方の野菜や特産物を店頭に並べて売るようになりました。

見ますと、その日は茄子が非常に安く売られております。写真のような大きさの米茄子が3つ、もしくは、ズッキーニほどの太さ長さの長茄子が5つ、それぞれ袋に入れられ、どちらにも同じ値段が付けられておりました。

ポップコーンは後回しにしてもこれは買わねば、と思い、それでも、長茄子と米茄子のどちらを選ぶか迷っておりますと、小旅行用のちいさなキャリーバッグを引き、夏生地の背広を着てパナマ帽をかぶったおじいさんが、お嬢さんの隣に立ち止まって話しかけてこられました。

「これは何ですかな」

「茄子、です」

「わかっておる」とおじいさんはおっしゃいました。「どういう茄子なのか、だ」

「こちらは大きな茄子で、こちらは長い茄子です」

「それもわかっておる」とおじいさんはおっしゃいました。「どうやって食べるか、だ」

「どちらも、煮たり、焼いたり、炒めたりします。ここまで大きくなる種類はおそらく天麩羅にはしません。また、どちらも漬けるという話は聞きません。この大きさでは、そもそも漬かるのかもわかりません」

「どっちも同じじゃないか」

「ですから迷っているのです。ですが、なんだか大きなほうがしあわせな気がしますので、こちらにします」

と、お嬢さんが米茄子のほうをレジに持って行くと、おじいさんも米茄子の袋を手にとり、お嬢さんのあとからレジに並びました。また、お嬢さんとおじいさんのやりとりを聞いておられたらしい(といいますか、茄子の場所をふさいでお嬢さんたちが問答をしているので手がのばせなかったのかもしれません)おばさまも、米茄子の袋を持っておじいさんのあとからレジに並びました。

おじいさんに、あんたはどうやって食べるのかねと尋ねられたので、お嬢さんはエッグプラントパルミジャーノの作り方を簡単にお知らせしました。もっと簡単なのはないのかねと尋ねられたので、輪切りにして網で焼き、味噌を塗るといくらでも食べられますとお知らせしました。

茄子は保存が効きますので、パルミジャーノは金曜あたりにでも仕込みをし、週末にでもこしらえてみる予定です。おじいさんはどうやって茄子をいただいたのか、気になります。

20060802-1.jpg