9月20日 (水)  ヲーギャウのこと

お嬢さんが夏の帰郷から戻って一月がたちました。

帰郷のおりには、郷里ではなかなか手に入れることが難しい外国の食べ物をおみやげとして送っておきます。郷里ではお嬢さんが家事をしますので、それらはお嬢さんが調理をして、家族みんなでいただきます。

この夏、お嬢さんが帰郷に先立って送った荷物には、ヲーギャウの缶詰が3缶入っていました。

ヲーギャウとは漢字で愛玉とも書きますが、台湾南部を原産とする寒天質の食べ物です。ヲーギャウの実というものが山に自生しており、乾燥させた実を砕いて水中で撹拌すると、なんらかの成分が水に溶け出し、やがて寒天のように固まるのだそうです。

缶詰として市販されているヲーギャウには、うすい甘味とレモンの香味がつけてあります。いただく時には冷蔵庫でよく冷やし、一口大の角形もしくは切片に切り分け、小鉢などに氷と共に取り分けます。甘味が足りなければ蜜などで適宜補いますが、たいていはこの甘さでじゅうぶんです。

また、缶詰のヲーギャウは少し固めに作られていますので、鍋にあけて適量の水を加えて火にかけ、いちど液状にしてから再凝固させてもおいしくいただくことができます。試してみましたところ、缶の容積の同量の水を加えても、やわらかくおいしいヲーギャウができました。

ヲーギャウの缶詰の容量は、なんといいますか、大サイズの桃缶よりすこし大きいぐらいです。うまく再凝固させると、缶ひとつにつきバット一つほどのヲーギャウをこしらえることができますので、お嬢さんの家では3缶のヲーギャウでじゅうぶん夏を越すことができました。

お嬢さんの好む外国の食べ物は、東京でひとりでいただいてもおいしいものですが、家族でいただくといっそうおいしいように思われます。ヲーギャウは糖分が少なくさっぱりしているので、食事に制限を受けている家族でも、みんなで楽しむことができました。

写真は郷里の猫です。背景のサッシの位置から察せられるように、猫が横になっているのは箪笥の上です。

眠っているかと思ってカメラを向けたところ、たいへん深いことをしめしめと考えているような顔をしていました。

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