9月24日 (日)  熊のこと

お嬢さんは、週に一度、郷里に近況報告と安否確認の電話をします。祖父母がだんだん年をとってきたので、お嬢さんとしてはもう少し頻度を上げたいのですが、あまりたくさん電話をすると祖母から苦情があります。

過日電話をすると、夕食のあと庭で夕涼みをしていたという祖母が息を切らせて電話に出ました。

小さいさんの近況や猫の山里の話をしていると、そういえばきょう、猫の山里の人がきて、茸といっしょに熊の肉を置いて行った、と祖母が申しました。

今年は熊が多く、山里が共同で駆除資金を出して熊狩りをお願いしたところ、一か月で六頭の熊が狩られたのだそうです。熊一頭であれば、狩人と依頼者のあいだでいろいろな分配が終わってしまうのですが、今回は頭数が多かったので、山里のみんなに少しづつ肉が分配されたのだということでした。

熊の肉は、煮込むと黒色を帯び、特有の匂いのする脂が大量に溶け出します。肉はたいへん固く、おいしいものではありません。そのようなわけで、肉はお嬢さんが帰郷する時まで冷凍しておくので、帰郷したら全部食べてもよい、と祖母は電話で申しました。

写真は、猫の山里で飼われている犬です。この犬は、むかしは熊狩りの供として山に入っていましたが、もう年をとってしまったのでつないで飼われています。
 

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