2月16日 (金)  黒い車のこと

すこし前の日記で書いたように、お嬢さんは今週の火曜日から、あたらしい場所でアーキヴィストの見習いをかけもちするようになりました。

史料の整理をする場所は土曜日もフロアをあけているので、お嬢さんはあすも出かけます。しばらくのあいだ、土曜日は休日ではなくなりそうです。

史料の整理をする場所には、史料のほか、作業のための机とパソコンとかんたんなお茶のしたくがあります。

作業のための机には文房具がそろっていますが、みまわすと辞書や事典がありません。作業を依頼して下さった方にご負担をおかけしてはいけないと思い、買ってくださいを言い出せずにいたところ、きのう、ひょいと代表の方が作業室においでになり、お嬢さんを呼びました。

「これから階下に降りて、玄関に止まっている自動車にのって書店街にでかけてください。運転手さんが待っていてくれますので、そのあいだに必要な本を買ってきてください」

代表の方の仰る通りに階下に下りてみると、なにか大きな黒い自動車が止まっており、運転手さんが扉をあけて待っていて下さっていました。

むずむずしながら乗り込むと、自動車は書店街に向かって走り出し、大きな書店の前に止まりました。扉をあけていただくのを遠慮してじぶんで内側からあけたところ、扉を歩道の柵に当ててしまい、たいへんばつの悪い思いをしました。

急いで本をさがして自動車の場所に戻ると、運転手さんが運転席ですこし眠っておられるのが見えました。扉をあけていただくのを遠慮してじぶんで後部扉をあけたところ、不意をつかれた運転手さんを驚かせてしまい、ふたたびばつの悪い思いをしました。

きょうの午前中も、必要な本の買い出しの続きでした。運転手さんはお嬢さんの奇癖を承知したようで、扉は決して自分であけないでください、ということと、沿道の風景に不意に驚くとわたしも驚きますので、というやわらかなアドバイスをいただきました。

写真は、ワシントンの中心部にあるアメリカ合衆国国立公文書館本館です。この建物には合衆国の建国に関係のある重要な書類が展示されており、郊外にある分館にはたくさんの行政文書が移管されています。

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