2月26日 (月)  キノコたちが戦争に、のこと

先週の月曜日は、まうかめ堂さんと連れ立って、街の音楽ホールにエマ・カークビーの声楽とヤーコブ・リンドベルイのリュートの演奏会を聴きにでかけてきました。

心地よいやわらかな音楽にうっとりして先週を過ごしていたところ、昨日、思い立ってストラヴィンスキーの声楽曲を耳にしてから、こんどはどうにもその曲が身体から離れなくなってしまいました。

その曲は、「キノコたちが戦争に行く」という題名のついた5分半ほどの歌曲で、むかしレコードの付録として読んだストラヴィンスキーの生涯と年賦によれば、ストラヴィンスキーにとって、楽譜が公刊されたはじめての音楽になります。

この題名でウェブサイトを検索しても、あてはまる情報はほとんどありません。そもそも、英語の題名も「How mushroom went to the war」と「Mushrooms went to war」の2種類が通用しているようで、この歌曲が録音されているCDを探すことも未だにできていない状態です。

ふしぎな和声感とリズム感、ピアノの右手に出てくるふしぎな高音など、この歌曲にはそれからのストラヴィンスキーにつながるような要素がもそもそと滲んでいるように思われます。

まうかめ堂さんによれば、この曲の楽譜が発売されたのは1904年だということです。キノコが向かった戦争というのは日露戦争だったのかもしれません。

昨日は、ベッドに入る前にこの曲を5回ほど繰り返して聴いたところ、明け方になってひじょうに官能的で背徳的な夢を見て眼が醒めました。寝覚めがよいのか悪いのかわかりません。

あすは早起きをしなければならないので、このようなことがないよう、バッハのアリアを聴いて眠ろうと思います。

写真は、ワシントン郊外で撮影したきのこの写真です。

20070226-1.jpg