3月11日 (日)  にんじんのこと

せんだっては、近所の農協の直売店でたくさんのにんじんを求めたことを書きました。

求めてきた時には17本であったにんじんは、その日のうちに洋なますに4本を使い、13本になりました。

きょうは、朝食時に小さめの1本をスティックにしてハムのパテとチーズをつけていただき、夕方になって、あすの朝食とおべんとうのおかずのために牛蒡ときんぴらにして、さらに2本を使いました。そのようなわけで、現在のところ、残っているにんじんは10本になります。

10本のにんじんも、近々たくさんこしらえる予定のロールキャベツでまた何本か消費されるはずです。ロールキャベツに巻きこむ中身に、すりおろしたにんじんを多めにまぜると風味が出ます。

にんじん好きなお嬢さんとは対照的に、お嬢さんの妹はにんじんがあまり好きではありません。生のままを薄く切ったサラダやスティックにしたものはかろうじていただいているようなのですが、グラッセなどの煮たにんじんはまったくいけないようです。妹いわく、煮込んで甘味の出たにんじんの、その甘味がどうしても馴染めないのだそうです。

妹が中学校3年のころ、高校に入っていたお嬢さんは妹の受験勉強を手伝っておりました。

妹の志望する学校の入学試験には、志望者と試験官による面接があります。これによって合否が決定されることはよほどのことがなければありませんが、念には念を、ということで、お嬢さんと妹は、それぞれ面接官と志望者になって模擬面接をしてみることになりました。

勉強部屋に2脚の椅子を向かい合わせて置き、面接官役のお嬢さんが待っていると、妹がのそのそ部屋に入ってきました。小さな紙をお嬢さんに差し出し、このような模擬質問を考えたので、この紙に書いてあることを質問として読み上げてほしいといいますので、読むことにしました。

「すきなたべものはなんですか?」

「鍋焼きうどんです。煮えているところが好きです。」

「それでは、きらいなたべものはなんですか?」

「煮たにんじんです。甘くなるところがきらいです。」

笑いを噛み殺しながら、お嬢さんはなんとか模擬面接を終えました。そして、これらの成果もあったのか、妹は無事に試験に合格しました。

妹はすでに嫁いでおりますが、結婚披露宴のおり、家族のひとりひとりにあてたスピーチのなかで、この珍妙な模擬面接の思い出をお嬢さんにあてて語りました。

お嬢さんは小さいころ、療養のために病院に入っていることが多く、あまり自宅におりませんでした。また、自宅でも敷地内の別棟にある療養室でくらしていたため、妹と生活を共にすることがあまりありませんでした。

妹にとって、模擬面接は、姉にあたるお嬢さんと、少しきちんとした会話を交わした印象深い機会であったようです。

写真は、ニューヨークの朝方の街角です。



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