5月8日 (火)  あけびの花のこと

お嬢さんの家の庭でもっとも広いのが南庭です。

ずっと以前、家族でこの家に引っ越してきたとき、この場所はたいらな地面になっていました。その後、土を盛ってちいさな築山をこしらえ、その山には、植木鉢に植えていたけれども少し大きくなった植物を直植えするようになったものです。

また、直植えを目的としてはじめから苗木を買ってくることもありました。

地面から生えるようになった植物が大きくなる力は植木鉢時代よりずっと旺盛で、築山の植物の中には一階の屋根を大きく超え、二階からでないと花見ができなくなっているものもあります。

現在、築山に生えているのは橡の木、紫木蓮の木、枇杷の木、藤の木です。また、橡の木にからまるように、あけびの木も生えています。

写真はあけびの花です。あけびの花には雌雄があり、この写真で大きく写っているのは雌花です。中央の、柱頭が蜜で光っているめしべがその後大きくなり、実になります。

あけびの花は深い色合いであるいっぽう、たいへんよい香りがします。似た香りはあまり見ませんが、みかんの花の香りと葛の花の香りを合わせたような香りがあり、なにかうっとりするような、せつない感じがします。

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