8月26日 (日)  ふくろもののこと

郷里に戻っていた2週間のうち、前半の1週間、お嬢さんは家事のあいまにずっと縫い物をしておりました。

お嬢さんには、アメリカで結婚をしてアメリカで暮らしている母方のいとこがおります。昨年の春にアメリカにでかけたのは、そのいとこの夫のコメンスメント(学位授与式)に出席するためでしたが、そのおり、いとこの夫方の親族に手渡せるよう、古布をはぎあわせて袋を縫って持っていったところ、たいへん喜ばれました。一見複雑に見える縫い方と、用いられている布が日本的であることが、パッチワークなどの素養のあるアメリカの方々の共鳴をよんだのかもしれません。

喜びようがたいへんなものだったので、お嬢さんは帰国のおり、そのように喜ばれるのであれば、またいくつか縫って渡しますよといとこに約束しました。この夏、いとこは小さいさんたちと郷里に戻っておりましたので、そのあいだに渡そうと思ったものです。

袋の縫い方は、祖母に教えていただきました。正式な名前はないようですが、主に米を入れるのに用いられていたため、「米袋」、もしくは「昔はよく使っていたあの袋」などと呼ばれています。

袋は、短辺を1とすると長辺が2、5ぐらいになるよう裁った4枚の布と、口縁のための布と、裏袋のための布からできています。なんといいますか、4枚の布を卍型のように組み合わせて縫ったあと、となりあった辺を縫っていくと袋の立ち上がりができ、余った上辺の三角部分を切り落として直方体にととのえて作ります。

せっせと針を動かすことは、心の安定になにか役立つようです。平素はなかなか時間がとれませんが、きょうは午後から針を持っていました。

写真は、猫の山里で見かけた古い看板です。

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