トレチェントの宗教曲 まうかめ堂 【2005/05/22 17:43:02】 亀レスですみません。>がむとさん。
14世紀イタリアの(教会で歌われた)宗教音楽についてこれまでのお話からおそらくこうではないかと思うことをまとめてみたいと思います。
1.まず第一に、教会における多声音楽は大部分が即興によるもので、計量記譜で記されたポリフォニー曲はだいぶ少い模様。
2.計量記譜で記されたポリフォニー曲についても、ギラルデッロ・ダ・フィレンツェのグロリアの例のように、トレチェントの作曲家にとっては世俗
曲との書法上の区別はあまりなかったようである。その用途のために新しいスタイルを作ろうという努力はあまりなかったのかもしれない。
3.14世紀末の Bartholomeus de Bononia, Antonius 'Zacharias' da Teramo,
Matteo da Perugia
の世俗曲のミサ断章への転用は2.の延長上で考えるべきかもしれない。これらはパロディ・ミサ、定旋律ミサとはとりあえずは関係がないものかもしれない。
(これに関する私の「誤解」はある日本の音楽辞典の記述にもとづいてでした。)
4.世俗曲のミサ断章への転用が3.より前にあっても不思議ではないかもしれない。
ところで、よくわからないのですが、14世紀におけるモテトゥス(特に宗教的な内容のもの)は実際にどのように用いられたのでしょうか?
教会で歌われたのでしょうか?もしそうならミサで使われたのか聖務日課などで使われたのでしょうか?
(そうでない気もするのですが。)
話題が発散してすみませんが、Anonymous4のトレチェント、ちょっと聴いてみました。
なるほど、Anonymous4 が Ecco la primavera を歌うとこうなるのか、というのが良く出ていてなかなか面白かったです。
Landiniのディスク買ってないのですが、このノリで一枚全部というのは若干きついかもしれません。
いやでも、やはり買ってみないとわからないですね。
そうそう、前にちょっと話題にしていた Capilla Flamenca の Ars nova & Ars subtilior
のディスク Zodiac を入手いたしました。これはものすごい名盤だと思います。21世紀に入ってようやくこういうのが出たかという感じの。
とりあえず Capilla Flamenca の HP のアドレスをもう一度貼っておきます。
http://www.capilla.be/
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