ようこそいらっしゃいました。 このホームページは、西洋中世の音楽の紹介をすることを表向きの目的として標傍することにより、わたくし、まうかめ堂が西洋中世の音楽を勉強し散らかすことを目的としたサイトです。 ことによると、何か皆様のお役に立つこともあるかもしれませんが、無いかもしれません。 それではごゆっくり御覧下さい。 管理人: まうかめ堂
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●序
中世ヨーロッパの音楽をテーマにしています。 西洋音楽史における中世、それはヨーロッパの成立とともに始まり、15世紀の初頭にその幕を閉じます。 1000年もの長い歴史です。 その間に西洋音楽はその礎を築きました。ごく大雑把にふりかえってみましょう。
- ボエティウスが古代ギリシアの音楽理論を『音楽教程』にまとめました。これが中世を通じて自由学芸の一科としての音楽の最も権威ある教科書として読まれ、中世音楽の理念的、精神的な柱となりました。
- 各地の教会では単旋律による聖歌を用いて典礼が行われました。
- グレゴリオ一世(在位 590-604)が統一の号令をかけて、ローマ聖歌(グレゴリオ聖歌)という聖歌のスタンダードが作られました。
- 聖歌を工夫して歌う試みの中で、ついにポリフォニーが誕生しました。
- オルガヌムが発展し、レオニヌス、ペロティヌスの壮麗な作品群があらわれました。
- 大学や教会学校の学生や当時の知識人によってモテトゥスがさかんに作られました。
- 宮廷では貴族たちとそのおかかえの音楽家たちが「愛の歌」(世俗歌曲)を歌いました。
- その「愛の歌」は多声化されていきました。
- 大詩人にして西洋音楽における最初の天才作曲家、ギョーム・ド・マショーが登場しました。
- ポリフォニーは高度に発達し、やがて飽和して行きました…。
このような中世の音楽ですが、一般の人が耳にする機会は残念ながら多いとは言えないようです。
グレゴリオ聖歌に関しては、数年前にスペインの某修道院の CD が「癒しの音楽」として大ヒットを飛ばしたり、また国内にもグレゴリオ聖歌を専門に歌う合唱団がいくつも存在するなど、かなりメジャーな存在であり、演奏される機会も多いと言えます。
しかし、これ以外の中世の音楽はごく少数の例外を除いて、国内で実際に演奏される機会は極めて少ないというのが現状です。(CD は沢山出てるんですけどね。)
(また、これがルネッサンスになると話しは別で、コンクールの課題曲になるなど、演奏される機会は格段に増えます。)
このグレゴリオ聖歌からルネッサンス音楽に至るミッシング・リンクをまうかめ堂は扱かっていきたいと思っています。
グレゴリオ聖歌それ自体は今のところ扱う気はありません。これに関しては他に良いサイトがいくつもあります。 またこれ以前の音楽、例えば、現在、アンブロジオ聖歌、モザラベ聖歌として残っている聖歌などは私の扱える範囲外です。
とは言うものの、「グレゴリオ聖歌とルネッサンス音楽の間」というのもだいぶ広すぎて、とてもそれら全てを扱いきれるものではありません。 もう少し具体的に、これまでにやってみたものと、これからやりたいと思うものを列挙してみましょう。
これまでにやってみたことは、大体以下のようです。
- アルス・スブティリオールの MIDI と解説。
- 初期ポリフォニーの MIDI。特に Congaudeant Catholici の MIDI と解説。
- 13世紀のモテトのいくつかの MIDI、特に『モンペリエ写本』より。
- 「夏はきたりぬ」の解説。
- 中世イギリスのキャロル The Selden Carol book.
- 『モンセラートの朱い本』のいくつかの MIDI.
- ケルンのフランコ著『計量音楽論』の翻訳。
- マショーのバラードはとりあえず全曲 MIDI 化。
- ヨハネス・デ・ムリス『計量音楽の書』を翻訳中。
- 今年(2007年)はノートル・ダム楽派を重点に。
- トレチェントは手付かず。
今後やりたいと思うものは以下のようです。
- アルス・ノヴァ、特にマショーの MIDI をもっと充実させる。
- ノートル・ダム楽派、特にレオナン、ペロタンの有名所は押さえたい。
- アイソリズム・モテトの歴史。ヴィトリ、マショー、Ars subtilior のモテト、チコニア、ダンスタブル、デュファイというような系譜を調べたい。
- ポリフォニーの誕生からノートル・ダム楽派に至るまでの「初期ポリフォニー」の歴史を見たい。これに平行して Musica Enchiriadis, Micrologus などの読解。
- 黒符計量記譜法についてよりよく理解したい。いくつかやりかけの論文の翻訳を完成させるとともに、他のいくつかの論文も読みたい。可能ならば黒符計量記譜法に関する解説ページを作りたい。
- アルス・スブティリオールにはときどき回帰したい。
こう並べてみるとお気付きになるかもしれませんが、まうかめ堂の関心事はポリフォニー音楽に集中しております。上で言ったように単旋律聖歌を扱う予定はありませんが、単旋律のトルバドゥール、トルヴェール歌曲や「カルミナ・ブラーナ」、「聖母マリアのカンティガ」は単発的に MIDI を作るようなことはあるかもしれません。
これだけでも本当にまじめにやったら半世紀以上かかりそうですが、意欲の続くかぎり少しづつでもやっていきたいと思います。
非専門家の一個人が道楽で作ってるようなホームページですので、永久に不完全で未完成であることと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
●注意
一応、ルールを決めておいた方が良いようなのでそうします。
当サイトにある文章、MIDI data, 楽譜(transcription)等の著作権、著作隣接権はまうかめ堂(n.nakamura)に帰属します。
これらのものを個人で利用される分にはもちろんどのように扱かっていただいても構いませんが、万が一、他の場所に転載を希望される場合には御連絡下さい。
それから、無いとは思いますが、商用での利用はやめてください。
楽譜(transcription)に関しては現時点では内容について保証をしかねます。特に詞についてはCDの歌詞等を参考にされた方が良いかと思います。 (そして間違いが見付かったら、御連絡頂けたらありがたいです。)
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