ここではイギリスにおける、単旋律聖歌に一音符対一音符の3声の和声を即興的に付けて歌うポリフォニー唱法であるファバードン faburden について説明したいと思います。
この唱法は1430年頃かそれ以前から、宗教改革の頃まで使われた方法で、これを用いると単旋律から自動的に3声体が得られ、未熟な音楽家でも十分な豊かさで単旋律聖歌に和声付けすることが可能になります。
結果出来上がる音響は、現代の表記で 8-5 和音で始まり、その後 6-3 和音が続き、語の終わりで 8-5 和音にもどる(または 6-3 和音のまま)、というものになります。
「何故、サイト声部なるものを作りそれの5度下を歌うという面倒な手続きをするのか?」「何故、単語の末尾でミーン声部の音がEまたはBのときは3度上のままにしておくのか?」は実例を見ると理解できます。