トレチェント がむと 【2005/05/04 11:46:01】 トレチェントの音楽は、よく音楽史的には、旋律のみを優先した、底の浅い音楽ともいわれますが、これだけの技巧的な歌唱を記譜して、それをまた演奏するというのは別の意味での音楽的発達が前提になっていると思いますね。もしトレチェントの音楽を当時実際に聴いたなら、多分十分驚嘆するに値するものだったと思います。
ただ、音楽史の世界では、やっぱり構造中心の理解になりがちですから、技巧中心の音楽は一ランク低く見られがちだと思います。同じような評価は、カッチーニのモノディー歌曲などにも言われますが、これらもやっぱりバッハ以降の構造中心の音楽評価中心の音楽史理解と結びついているような気がしますね。
そういう僕も、トレチェントのこう言った評価に取り付かれていて、積極的に聴こうとはしなかったのですが、ちょっとこれからまた聴きなおして見ようかと思っています。MIDIも作ってみるかもしれませんが、黒符はちょっと怖いですね(笑)
そう言えば最近、「反音楽史」という本が話題になっていますが、こんな感じのことを論じているのでしょうか。 | |