Re:Re:ベッセラーのデュファイ全集 moto 【2004/12/13 07:10:13】 はじめまして、かつてルネサンス音楽史を研究したものです。(今は、研究の現場から離れていますが…)
それにしても、まうかめ堂さんや、がむとさんなど、最近のアマチュア方々の情熱と、レベルの高い仕事振りには、驚嘆することしきりです。
さて、一連のスレッド読んでいて、事情を知らない方に、現代の音楽学者が悪名高い(?)ベッセラー版に手をこまねいている印象を与えかねないかと危惧して、老婆心ながら書誌情報を1つ補足させていただきます。
話題になっているベッセラー校訂Corpus mensurabilis musicae (略してCMM)のDufay全集ですが、第6分冊Cantiones(世俗曲の全集です)は、すでにDavid Fallowsによって1995年に改訂版が出されています。
そして、上でも言及されている
David Fallows, The songs of Guillaume Dufay : critical commentary to the revision of Corpus Mensurabilis Musicae
は、この改訂版に対する校訂報告です。つまり、楽譜自体も見直されて出版されているわけですね。
全集楽譜の改訂はコストと時間がかかるのですが、さすがにDufayクラスの有名作曲家については、徐々に進めるのではないでしょうか。たとえば、新全集が出版されているラッススですが、100年前にブライトコプフ社から出された旧全集も、少しずつ改訂されています。この辺の息の長い(悠長な?)仕事振りは、さすがヨーロッパという感じですが…。 | |