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まうかめ堂 BBS 過去ログ6



Re:La harpe de melodie がむと 【2004/12/01 00:00:44】
>楽譜で見るのと、CD などの実際の演奏で聴くのではだいぶギャップがあります

それは確かにそうですね。ただ、La harpe de melodieのような解読そのものの難しさよりは、原形をどう音楽的に処理するか、ということの方に比重がかかっていそうです。もちろん、カノンなどの解釈の小さい間違いもあります。それに、ムジカ・フィクタの問題とかもありますが、これも解答するには一大研究が必要ですからねえ……。

ルネサンス音楽で多分一番先人の作業が大変だったと思われるのは、オケゲムのミサ・プロラツィオーヌムですね。これはアラミレ写本ですが、もともと演奏が大変なのに、写本のほうが間違い多いです。最初に校訂本を作ったPlamenacという人は本当に凄いですね。

ただ、やっぱり20世紀前半までの校訂作業はかなり玉石混交のようです(資料の面からと、あと校訂作業から、楽譜そのものの植字段階などでの間違いなどで)。デュファイのベッセラーによる全集など、悪名高いらしいですよ。もちろん、そうした段階を乗り越えて楽譜校訂研究の今があるとはいえるのでしょうけど。

それはそうと、Canon.Misc.213届きました!ついでに、ブログのLoquevilleのところに、あらみれブログからトラックバックを入れさせていただいています(ちょっと試してみたかったので……)。

Re:La harpe de melodie まうかめ堂 【2004/11/30 21:47:01】
ルネサンス音楽でもそうでしょうが、中世音楽は、楽譜で見るのと、CD などの実際の演奏で聴くのではだいぶギャップがあります。先人たちが、何を根拠に、どのような考えからそういう形に復元していったのかを理解するだけでも結構大変だなあ、と最近つくずく思います。

Re:Re:La harpe de melodie がむと 【2004/11/30 02:12:58】
>実際に鳴らされる音だけが作品でない
これは確かにその通りですね。

 それにしても、現代譜でもまだまだ完全に解読し切れていないものとかあるんですね。やはり原典のファクシミリなどを扱っていると、ひょっとして我々アマチュアにも、何か誰も思い付いていないような事を発見するチャンスがあるんじゃないかと思っています。

Re:La harpe de melodie まうかめ堂 【2004/11/29 14:33:49】
いやあ、過分に褒めていただいてうれしいです。

当初、独立した解説を作るつもりはなくて、Senleches のページにちょこちょことコメントを付けるだけのつもりだったのですが、調べてるうちに内容がふくらんできて、楽譜まで作らなきゃなんなくなって結構面倒でした。

ある種の Ars sutilior の楽譜とか、後に謎カノンと呼ばれるようなものたちって、実際に鳴らされる音だけが作品でないですから、ひとつひとつ見ていくのは楽しいですね。

La harpe de melodie がむと 【2004/11/29 00:40:01】
感動的な解説でした。しばらく更新されないなあ、と思っていたら、こういう凄いものを準備されていたとは……。しかし、カノンの指示のフランス語、確かにあのプロポルツィオの解釈は、初めてで思い付いたら凄いでしょうね……。こういう謎解きはars subtiliorの醍醐味ですね。

Re:Re:Amours me fait desirer まうかめ堂 【2004/11/23 23:39:57】
ロクヴィル、何曲か見てみました。そうしたら、どうも聞いたことのある曲が二つ三つあります…。

アレと思って探してみたら、Gothic Voices の A Song for Francesca の後半が Canonici 写本でした(--;。

ロクヴィルはハープ弾きだったそうなので、それを意識してか Lawrence-King がハープで演奏してました。

Re:Amours me fait desirer がむと 【2004/11/23 01:46:07】
ロクヴィルが入っているとは、ますます本が届くのが楽しみです(^^;

Re:Amours me fait desirer まうかめ堂 【2004/11/23 00:08:52】
> この辺りは今一つ連続性がよく分かっていません。

私もです。(というか私の場合そもそも歴史をどう理解したら良いのかわかってないところがあります。Ars subtilior がどうゆうムーブメントだったのかとか理解できませんし…。結局、どのぐらいの年代にどうゆう曲が書かれたということしか頭に残ってなかったりします。)

ロクヴィルはくだんの写本にちらほら載っていたと思います。
そういえば、私はロクヴィルの作品を一つも耳にしていないことに今気付きました(笑)。

ちょっと見てみようかな…。


Re:Amours me fait desirer がむと 【2004/11/22 21:37:19】
デュファイ以前ですか……。この辺りは今一つ連続性がよく分かっていません。あと、デュファイの先生のロクヴィルもあまり良く知らないんですよ。Can.Mus.213に入っているとうれしいのですが。このファクシミリ、今日発送したというメールがありました。あと1週間か10日ぐらいでしょうか……。

Re:Amours me fait desirer まうかめ堂 【2004/11/20 17:20:57】
> マショーを最後に、詩人音楽家がほとんどいなくなったのは
> どうしてなんでしょう。

やはり、音楽家を取り巻く社会環境の変化が背景にあるのでしょうか?
(私はこの手の話には極端に疎いです…。)

> それはそうと、BodleianのCanon.Mus.213、注文してしまいました。

ああ、それは良いですね!

がむとさんがこれをどんな風に料理されるのか楽しみです。

私もいずれはこれにまじめに取り組まなければとは思っていますが、なかなかここまで到達できませんね(^^;。

中世最後の音楽家たちと言うべきか、Dufay が登場する以前の transitional な人達 (Baude Cordier, Ciconia, Cesaris, Bartholomeus de Bononia等)の作品だけでもものすごく興味が湧きますし。


Re:Amours me fait desirer がむと 【2004/11/19 19:49:21】
いやいや、まうかめ堂さんにはかないません。本歌取りなかなか面白そうですね。詩のほうでの本歌取りもあるのなら、音楽のほうもありそうです。ひょっとしてマショーの詩ではない可能性もあるのでしょうか。Matteo da Perugiaがやっているとすると、誰でもやっていた可能性もありますし、特定は難しいですね。

それにしても、マショーを最後に、詩人音楽家がほとんどいなくなったのはどうしてなんでしょう。その後もいて、我々が知らないだけなんでしょうか。

肝心の作業は全然すすんでいません。サイトのMIDIで取り組んでいたもので……m(_ _)m

それはそうと、BodleianのCanon.Mus.213、注文してしまいました。300曲ぐらいあるとのことなので、しばらくはデュファイ・バンショワでは飽きるぐらいMIDIが作れそうです。

Re:Amours me fait desirer まうかめ堂 【2004/11/19 16:03:22】
興味深い情報ありがとうございます。

> ある14世紀後半の作曲家を列挙するような曲の中で

これはとても興味をひかれますね。もしより具体的なことがわかりましたら是非教えてください。

後で La Trobe University の Medieval Music Databaseを見てみたら、題名が "Amor me fait desirer layaument" となってました。

で、そこで挙げられているこの曲を取り上げてる文献に

1. NEWES, Virginia E. 'Imitation in the Ars nova and Ars subtilior', Revue belge de musicologie, XXXI (1977): 38-59.

2. NEWES, Virginia E. 'The relationship of text to imitative technique in 14th century polyphony', Musik und Text in der Mehrstimmigkeit des 14. und 15. Jahrhunderts, edited by U. Gunther and L. Finscher, Kassel: Baerenreiter, 1984, pp. 121-154.

というのがあるそうなので、実はこの辺を見れば良かったのかもしれません。(でも、私の場合どこに見に行けばよいかという問題はあります。)

ただこのタイトルにある imitation は「模倣」のことでしょうね。つまりこの曲の冒頭の3声間の模倣について書いてあるのではないかと思います。まあ、実際に見ないことには何を言っても始まりませんが…。


14世紀の世俗歌曲においては(平安時代の和歌と同じで)他人の詞、そして曲をパクることはかなり一般的だったみたいですね。ちょっと前に次のような論文を見つけました。(しかし、この論文どうして download できたんだろう?)

3. PLUMLEY, Yolanda. 'Intertextuality in the Fourteenth-Century Chanson', Music & Letters, Vol.84 No. 3, August 2003: pp. 355-377

Abstract によると、"The practice of citation and allusion in both text and music was well established in the thirteenth century." とのことです。

実はまだまじめに読んでないのですが、例えば Matteo da Perugia がマショーのシャンソンを本歌取りしてるさまが譜例付きで論じてあります。
(このケースでは詞も旋律も引っぱってきてますね。)

面白いと思うのは、この論文で引用されてる Leonard Johnson という人の主張で、14、15世紀の詩人は the game of poetry の 'player' として特徴づけられる、というものです。

どうも「本歌取り大会」のようなものがしばしば行われてたみたいです。有名らしいのが1469年の 'Concour de Blois' というものだそうで、一つの詩のリフレインをもとに Villon や Charles d'Orleans を含む複数の詩人が11の詩を作ったそうです。これは15世紀ですが14世紀にもこの種の competition が行われていたとのことです。


しかし、歌曲というのは音楽だけ見ててもせいぜい半分しか見たことにならないわけで、残りの半分を見るために私も古仏語を勉強しなければなりませんね…。

Amours me fait desirer がむと 【2004/11/18 21:07:19】
Amours me fait desirerですが、ある14世紀後半の作曲家を列挙するような曲の中で、『……は大胆にもマショーの詩に曲をつける』という歌詞の部分があったように思います。あやふやなんですが、ひょっとしてこの作曲家がこれを作曲した可能性はないでしょうか。多分、詩はマショー自身のものであることは間違いないでしょうから。

肝心のその曲と、マショーに作曲したその作曲家の名前も解らないので、全然役に立たない書き込みで申し訳ありません。CDの歌詞をみて探してみることにします。

Re:Isabella Myoushin 【2004/11/09 18:03:08】
情報ありがとうございます。
1月3日(月)は微妙ですね・・・

私はCapilla Flamencaとカペラを恥ずかしながら混同していた模様です。

Re:Isabella まうかめ堂 【2004/11/08 20:10:51】
> 聞いたら是非日記でご報告聞かせて
> 下さい。

はい、できるだけ…。
(でも、さる筋からの情報ではカペラの団員の方が「まうかめ堂」を御覧になってる or なっていたらしい、という怖い話もあるんですよね…。)

> ↑何処でやるんですか?都合がつけば
> 行きたいです!

Myoushin さん、横レスありがとうございます。

1月3日(月) PM3:30開場 PM4:00開演、場所は聖アンセルモ・カトリック目黒教会とのことです。詳しくはカペラのHPを御覧になるのがよいかと思います。

http://www.cappellajp.com/


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