Trebor の音楽

  1. Passerose de beaute (ballade)
  2. Helas pitie (ballade)
  3. Quant joyne cuer (ballade)
  4. En seumillant (ballade)
  5. Se Alixandre et Hector (ballade)
  6. Se July Cesar (ballade)

トレボー (Trebor, late 14th C) は Chantilly 写本に6曲の興味深いバラードを残しています。

一説によると、彼の本名は Jahan Robert であるとのことです。 (つまり Trebor は Robert のアナグラムということです。)

Trebor の音楽の特徴を一言でいうことはできませんが、一つの特徴は、 しばしば Tenor と Contra が合わさって和声的な伴奏を形成することです。

Passerose de beaute (ballad)
Contra にしばしば現れる二連符が全体の8分の6拍子と対比をなしています。 Tenor と Contra はしばしば和声的な伴奏を構成しています。 また興味深いのことに、終止に V-I のカデンツが用いられています。
Helas pitie (ballade)
シンコペーションの豊かな曲です。休符を前においた独特のリズムパターン (全ての声部で用いられる)が印象的です。
Quant joyne cuer (ballade)
荘重な感じの曲です。リフレインの盛り上がりが面白いです。
En seumillant (ballade)
Trebor の曲で最も演奏される機会の多い名曲です。 「うとうとしていると夢が現れた」 夢というテーマを表現するのに、絶えず変化する調性と 半音階的な不協和音が用いられています。
Se Alixandre et Hector (ballade)
Willi Apelによると「この作品の contratenor は和声的基礎を強化し完成する ために design された"進んだ"タイプの例である」とのことです。
Se July Cesar (ballade)
とりわけ和声的な色彩の強い曲です。

Last modified: 2002/11/11