Diary 2007. 3
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3月21日 (水)  ぎんなんのこと

先週は、週のなかばから身体の具合がすぐれず、水曜日はアーキヴィストの見習いのお仕事をお休みしてしまいました。

木曜日はがんばって仕事にでかけ、帰りにはまうかめ堂さんとインド式カレーをいただいたりしたのですが、金曜日になると身体の調子はさらに不安定になり、その日はお昼からお休みをいただきました。

家に帰る電車に乗ったところ、駅をいくつか過ぎたところで電車が動かなくなりました。すぐ前の電車で事故があったようです。ほかの路線に乗り換えることができない駅で電車が停まってしまったため、どうすることもできません。同じ車両に乗り合わせた外国の方に外国語で事情を説明したりしながら、しみじみと復旧を待ちました。

金曜日はかかりつけのお医者さんがお休みであったため、その日はすぐベッドにもぐりこみ、土曜日にお医者さんを受診しました。思い当たるところがあったので、ふだんの内科ではなく心療内科を選び、すこしゆっくりお話を聴いていただいたのち、軽いトランキライザーとおなかの薬をいただいて帰宅しました。

おかげで今週はぐあいがよいようです。きょうはゆっくり起きてゆっくりと洗濯などをし、夕食のあとは、父からいただいてそのままにしておいた銀杏をむいて保存することにしました。

銀杏は秋に収穫されますが、じょうずに外皮をとって乾燥させても、春になると中身が痩せて食べるところがなくなります。いっぽう、殻を割って中身を取り出して茹でたものは、冷凍して保存することができます。

殻の付いた銀杏は、あらかじめ殻にひびを入れ(今回は料理酒の瓶底を用いました)、紙袋に入れて電子レンジですこし加熱すると、殻と薄皮がはがれやすくなります。

加熱のおわった銀杏を紙袋から出し、あたたかいうちに殻を外したあとは、薄皮の付いた中身を茹でて薄皮を剥ぐと保存の準備は完了です。

ですが、茹でる段になり、水からなのかお湯からなのかを知らなかったことにお嬢さんは気付きました。

急いで郷里に電話をし、祖母にどちらかをたずねようとしたところ、母が出ました。祖母はきょうは具合がすぐれず、早めに床についたということです。

インターネットで調べてみた結果、殻をとった銀杏は湯から茹でることがわかりました。いただいてから時間がたっていたので、痩せはじめていた銀杏の薄皮はなかなかきれいに剥けず、夕食のあとのひと手間のはずが、存外時間がかかってしまいました。

銀杏は、そのうち銀杏飯や中華炒めなどにしていただくつもりです。

写真は、ハーバード大学の本部のあたりの庭です。いっしょに出かけた助手さんとお嬢さんがちらりと写りこんでおります。


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3月12日 (月)  フリージアのこと

きょうは、アーキヴィストの見習いをしている研究所で、ふだん通りの仕事をして家に帰りました。

研究所では、お嬢さんの担当していた仕事の直接の上司であった助手さんが3月で転勤され、4月からあたらしい助手さんがやってきます。きょうは助手室に引っ越し用の梱包用品が届いており、お別れが近付いていることをあらためて思いました。

家の最寄り駅につくと、あしたのお仕事のおやつ(お嬢さんはおやつ係を自任しているのです)を求め、じぶん用にトリュフチョコレートを求め、そのあと生花店に寄り、白のフリージアをひとたば求めて家に帰りました。

帰宅すると、かばんをおろしてフリージアを活け、よい香りのするろうそくをつけました。かんたんに夕食をとり、早めにお湯をつかって着替えをし、現在にいたります。

真夏と帰郷しているとき以外、お嬢さんはだいたい何かの花をどこかにちんまり活けておくことが多いようです。いまの時節はスイートピーやフリージアなど、やさしく、かおりのよい種類を選ぶことが多くなります。

フリージアには黄色と白がありますが、きょうはゆかりのあった方の祈念日であったので、白を選びました。よい香りのろうそくをともしながら、すこし祈って眠ることにします。

写真は、5月はじめのハーバード大学の構内です。

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3月11日 (日)  にんじんのこと

せんだっては、近所の農協の直売店でたくさんのにんじんを求めたことを書きました。

求めてきた時には17本であったにんじんは、その日のうちに洋なますに4本を使い、13本になりました。

きょうは、朝食時に小さめの1本をスティックにしてハムのパテとチーズをつけていただき、夕方になって、あすの朝食とおべんとうのおかずのために牛蒡ときんぴらにして、さらに2本を使いました。そのようなわけで、現在のところ、残っているにんじんは10本になります。

10本のにんじんも、近々たくさんこしらえる予定のロールキャベツでまた何本か消費されるはずです。ロールキャベツに巻きこむ中身に、すりおろしたにんじんを多めにまぜると風味が出ます。

にんじん好きなお嬢さんとは対照的に、お嬢さんの妹はにんじんがあまり好きではありません。生のままを薄く切ったサラダやスティックにしたものはかろうじていただいているようなのですが、グラッセなどの煮たにんじんはまったくいけないようです。妹いわく、煮込んで甘味の出たにんじんの、その甘味がどうしても馴染めないのだそうです。

妹が中学校3年のころ、高校に入っていたお嬢さんは妹の受験勉強を手伝っておりました。

妹の志望する学校の入学試験には、志望者と試験官による面接があります。これによって合否が決定されることはよほどのことがなければありませんが、念には念を、ということで、お嬢さんと妹は、それぞれ面接官と志望者になって模擬面接をしてみることになりました。

勉強部屋に2脚の椅子を向かい合わせて置き、面接官役のお嬢さんが待っていると、妹がのそのそ部屋に入ってきました。小さな紙をお嬢さんに差し出し、このような模擬質問を考えたので、この紙に書いてあることを質問として読み上げてほしいといいますので、読むことにしました。

「すきなたべものはなんですか?」

「鍋焼きうどんです。煮えているところが好きです。」

「それでは、きらいなたべものはなんですか?」

「煮たにんじんです。甘くなるところがきらいです。」

笑いを噛み殺しながら、お嬢さんはなんとか模擬面接を終えました。そして、これらの成果もあったのか、妹は無事に試験に合格しました。

妹はすでに嫁いでおりますが、結婚披露宴のおり、家族のひとりひとりにあてたスピーチのなかで、この珍妙な模擬面接の思い出をお嬢さんにあてて語りました。

お嬢さんは小さいころ、療養のために病院に入っていることが多く、あまり自宅におりませんでした。また、自宅でも敷地内の別棟にある療養室でくらしていたため、妹と生活を共にすることがあまりありませんでした。

妹にとって、模擬面接は、姉にあたるお嬢さんと、少しきちんとした会話を交わした印象深い機会であったようです。

写真は、ニューヨークの朝方の街角です。



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3月9日 (金)  西洋なますのこと

きょうは、アーキヴィストの見習いの仕事のあと、帰宅のとちゅうで農協の直売店に立ち寄りました。

直売店の、ドアを入ってすぐの場所は、いわゆる「きょうの特売品」のコーナーになっており、きょうはにんじんが特売されているようでした。

眺めると、にんじんのはいった箱のわきに袋がおいてあり、にんじんを好きなだけ詰めて定額で販売しているようです。お嬢さんはにんじんをよくいただくほうなので、さっそく袋を手に取りました。

どのぐらい詰めればよいものか、そろそろとにんじんを詰めていると、青果販売担当の方がこちらにやってきました。

「もう残りが少ないので、どうです、全部もっていきませんか。袋からはみでたぶんもひと袋として計算いたしますよ」

好意に甘えて、箱のにんじんを手分けして袋に詰めると、袋はひとつと半分、本数にして17本になりました。

精肉やお豆腐などの買い物もあったので、みっしりと重い買い物袋を提げて帰宅することになりました。

帰宅して夕食をいただいたあとは、さっそくにんじん料理にとりかかりました。

まず、太さの均一そうなにんじんを選び、皮をひいたあとごく薄く切り、薄切りを何枚か重ねてごく細く切ったものをボウルにひとつこしらえました。

次に、市販のイタリア風ドレッシングをべつのボウルにひとびん空け、蜂蜜で少し甘味を増やしたのち、乾燥バジルやオリーブ油を加えて味をととのえ、調味液をこしらえました。

にんじんのスライスに調味液を加えて混ぜ、すこしおいて嵩が減ったらタッパーに詰め、冷蔵庫にしまいます。翌日には味がなじみますので、もういただくことができます。

このようにしてこしらえたにんじんの西洋なますは、葉もののサラダのいろどりやベーグルサンドの中身などとして重宝します。パンと西洋なますとクリームチーズと鮭の薫製とスープがあれば、朝食の準備はたいへん楽です。

にんじんをごく薄く、ごく細く切ることは少したいへんですが、お嬢さんは実家において毎年大量のなますをこしらえており、にんじん4本ぐらいの分量はさほど苦になりません。

なにかうまい手を考えるより、まず着実な方法で手を動かすこと、というのは、なますにおいても、実はアーキヴィストの仕事においても大切なことのように思われます。

写真は、郷里の街道すじにある餅茶屋で出しているあぶり餅です。写真ではあぶった餅に納豆をまぶしていますが、とくに注文すれば、納豆をまぶした状態の餅をあぶって下さいます。納豆のほかにも、甘味噌を塗ってあぶった餅や、胡桃を摺ったものを塗ってあぶった餅もあります。



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