Diary 2005. 10
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10月31日 (月)  お医者さまのこと

きょうは、ふだんよりずっと早起きをして、年に何度か通っているお医者さんに出かけました。

ずっと以前の日記に書いたかと思いますが、年ごろのお嬢さんに月々やってくるはずのものがやってこなくなって、もうだいぶん経ちます。

これは軽快なこと、と喜んでいたのははじめのうちで、お医者さまから、放っておくと器官が機能を止めてしまいますよ、と注意をうけてからは、せっせといろいろな心がけをするようになりました。とりあえずは、なんといいますか、呼び水のような作用のあるお薬を服用して、来ないものを頼んで来ていただいているような感じです。

なにかあけすけな話になってしまいますが、先月は、なにもせずにいたところ、ひょいと気配が戻ってきました。

よろこんでお医者さまに話したところ、お医者さまは検査のいろいろなデータを眺めて、これはちがいますねえといいます。しゅんとして、午後から伺いますと連絡をしておいた仕事先の研究室に向かいました。

写真は、夏休みのおわり近く、もう9月になってから出かけた高原の沼です。ひつじぐさがひとつ残っていたので撮りました。水に写りこんだ雲の加減が、きょうの気分に少し似ている感じです。

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10月30日 (日)  銀座のこと

今年の6月ごろから、週に1回、もしくは月に3回ほど、銀座に支社を持つ新聞社でお仕事をするようになりました。
といっても、取材をしたり記事を書くわけではなく、新聞社が刊行元になっている本の編集をお手伝いしています。

銀座に出かけてお仕事をすると、帰りは東京駅まで歩きます。支社を出てすこし歩くと、マリオンや阪急のある交差点に出ますので、そこから、針路を丸の内方面にするか八重洲方面にするか決め、とことこ歩くことになります。

ここ2回ほどは、八重洲方面を目指して、プランタンや映画館の前を通っています。
といいますより、途中にある沖縄県の物産品を取り扱うお店に立ち寄るのが楽しく、こちらの道を選んでいます。

このお店では、それこそさまざまの産物が売られていますが、珍しいもの好きとしては、ふしぎな果物や野菜を試しに求めてみるのが楽しみです。

水曜日に立ち寄ったおりには、宮古島の産物の特集があり、お安くしましょうという言葉にのってドラゴンフルーツを5つと、謎の果物(なにかとなにかの交雑種)を購入しました。

ドラゴンフルーツは、眺めてはいたもののいただいたことのなかった果物でしたので、家に戻り、さっそくひとつ切っていただいてみました。切ってみたところこれは赤肉で、さほど甘味はなく、酸味はまったくない、みずみずしい味がしました。
謎の果物は追熟が必要とのことで、いま、部屋のすみに置いてあります。

昨日は、香りのよい葉に包んだ餅菓子と、大麦と金時豆を黒砂糖で煮たものの缶詰と、お豆腐を2種類(固まっているものと固まっていないもの)を求めました。このぶんですと、自前のかばんを用意して通うことになるかもしれません。

写真は、祖父の実家である猫の山里の猫のうちの一匹です。縁側に腹ばいになって眠っているところを撮りました。

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10月5日 (水)  再訪問のこと

来年の2月から3月にかけて、もう一度ハーバード大学を訪れることが決まったのは、夏休みをいただいて郷里に帰る少し前のことでした。アーキヴィストの見習いをさせていただいている研究所の研究員の先生が、ハーバード大学で行われる講演会の話者として招かれ、そのお供として、わたしも連れていっていただけることになったのです。

2月の末というのは、日本では先生方がいちばん多忙な時期にあたります。このような時期に、10日近くも持ち場を離れてのんびりしていられるのは(といっても、のんびりしているぶんお仕事はしていないことになるので、そのあたりはお給料が減ることになって困りますが)見習いしかいません。そういう理由と、招かれた先生が女性で、お供は女性のほうが都合がよい、という理由で、おそらくわたしに矢が立ったものと思われます。とても貴重な機会を思いがけなく再びいただけることになり、なんだか嬉しいような、どうしようか、という気持ちです。

今回の訪問期間が長いのは、ハーバード大学のほかに、ニューヨークのコロンビア大学にも出かけることになっているためです。ハーバード大学では先生だけが正式な講演を行い、わたしはそのお手伝いと、非公式なお話の会をすることになっているのですが、コロンビア大学では、先生もわたしもそれぞれが話者としてお話をすることになっています。

ハーバード大学とコロンビア大学は、がんばれば自動車でも行き来のできる距離にあるので、聴きに来て下さる方が重なる可能性があります。遠い距離を移動したのに、同じ話を2回聴くことになってしまうのは申しわけないので、まったく異なるお話をしなければなりませんね、と、先生と話しています。

写真は、母の里からいただいた大きな茄子です。母の里の墓参りに出かけたおり、このような茄子を10個ほども頂いてきました。ここまで大きくなっているのに、切ってみると種がほとんどありません。そこで、さいの目に切って油通しをし、麻婆茄子のようにして頂きました。

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10月4日 (火)  声がわりのこと

9月さいごの週末に、これまで練習をしてきたマタイ受難曲の演奏会が行われました。

ほんとうは演奏会の前に日記でお知らせをして、足を運んで下さる方をすこしでも増やそうかと思っていたのですが、オーケストラの方々との練習やステージ用の身支度の準備などで、お知らせの時間をとることができませんでした(次回はお知らせをいたします。どうぞおいでください)。

台風が来るとかで不安定なお天気でしたが、当日は雨もなく、恵まれた環境の中で演奏をすることができました。

ことしの演奏会がこうして終わったあとは、来年の演奏会のための練習がはじまります。マタイ受難曲のような大きな曲は、そう毎年演奏できるものではありませんので、来年はバッハの宗教カンタータを数曲行うことになっています。

この演奏会のための練習から、指揮者の先生にお願いをして、パートをソプラノからアルトに変えていただくことにしました。体調を管理するために服用しているお薬を、飲み薬から吸入に変えたところ、副作用かなにかで声の質が少し変わってしまったためです。吸入式のほうが、身体に取り入れるお薬の分量が少なくてすむのでそちらにしたのですが、特定の部位にはたくさんのお薬が当たってしまうので、このようなことがおこるのだと思います。

先週の練習ではじめてアルトを歌ったところ、はじめは音の幅がとれずにいましたが、そのうちむかしの音域の勘が少し戻ってきました。バッハはアルトに味わいがあると思いますので、この場所で、もう少し歌い手として音楽のそばにいられればと思います。

写真は、郷里の庭にいた蟷螂です。そういえば郷里で撮った写真は夏の風景ばかりでしたので、これから季節とのミスマッチが続くことになりますが、どうぞご容赦ください。

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