Diary 2005. 12
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12月16日 (金)  恋のうた、のこと

昨日は、街の文化ホールにでかけて、ソプラノの歌手の方の音楽会を聴いたことを書く予定でおりましたが、まうかめ堂さんからサーバートラブルによる日記の消失のお知らせを受け、そのことを書いたところで終わってしまいました。

昨日の演奏会は、12月ということもあり、クリスマスの情景や生誕をうたうアリアなど、ちいさな曲がたくさん歌われました。

演奏会のさいごに歌われたのは、モーツアルトの「エクスルターテ・ユビラーテ」のなかの「アレルヤ」でした。ずっとずっと昔の日記に書いたことがあるかと思いますが、これは、お嬢さんがおそらくいちばんはじめに覚えて歌った音楽です。お手本にしたのは、家にレコードのあったレオンタイン・プライスとカラヤンのものであったと思われます。

大きくなって楽譜を読むと、この歌はメリスマを多用した譜面のむずかしい曲です。メリスマの強調のために子音をすこし入れるような「わざ」は、そのころもちろん教わっておりませんでしたので、そのような音のこまかく動く箇所は、今思い出すとからだをこわばらせるなどして、無理にも動きをつけていたような覚えがあります。

モーツアルトにはその後ずっと縁がありませんでしたが、いろいろな有名どころのアリアを集めた譜面を買ってみたおり、「恋とはどんなものかしら」をさらってみたことがあります。その時の心持ちのせいもあったのかもしれませんが、とてもほがらかで、気持ちをそのまま音にのせたような歌で、とても気に入って覚えてしまいました。

街の文化ホールから家までは歩いて帰れます。アレルヤを聴いた余韻をほのぼのさせながら、「恋とはどんなものかしら」をちいさく歌って家に帰りました。もしかしたら、北町のみなさまにはすこしご迷惑であったかもしれません。

写真は、熊のデイジーとロブスターのロブです。

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12月15日 (木)  消えました、のこと

まうかめ堂さんからの連絡によれば、この日記をおいているサーバーのメンテナンス時の不具合により、12月8日から12月14日までのすたんこ日記が、ページからなくなってしまいましたとのことです。

このような場所でもいただかなければ、ふだん日記などはつけないほうですので、なくなってしまったぶんの記事の控えなどはもとからとってありません。

たしか、雑煮の餅のかたちについて、や、ことしはクリスマス前に帰郷いたします、のお知らせ、や、熊のぬいぐるみであるデイジーをアメリカに同行させます、といった記事を、この間には綴っていたようなおぼえがあります。

クリスマス前の帰郷のお知らせは、いくぶんかの伝言もかねて、熊のデイジーのことは、これからの日記でも言及する可能性があるので、再記しておくしだいです。

帰郷の予定を早めたことで、ホリデーカードや賀状を書いてお送りする日程が一挙に前倒しになりました。賀状など、まだデザインもしていないありさまですので、少しばたばたする日がこれから続くものと思われます。

写真は、ボストンのチャイナタウンの洋菓子店のショーウィンドウです。

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12月7日 (水)  まだ、のこと

とうの立ったお嬢さんを広く公開してもあまり役に立たないと思いましたので、昨日の日記の写真は、ふだんよりすこし控えめな大きさにいたしました。

それでも、写真はまうかめ堂さんにとってなにか好評であったようです。あれは何をしていたのですかというおたずねをいただきました。

セブンアップの入った紙コップをかかえてストローをくわえたお嬢さんは、セブンアップを吸い上げているのではなく、じつはぶくぶくと息を吹き込んでいました。頬まわりの微妙なちがいに、まうかめ堂さんは気付いたと見えます。

写真を撮影していただいた時の様子を思い出してみますと、あの時、お嬢さんはじぶんのぶんの昼食をほぼ食べ終えており、いっしょに写っているおふたりが、食事を中断してなにかの話に夢中になっているのを、座ってぼんやり見守っておりました。

話があとさきになってしまいますが、この写真が撮影されたのは、この大学のファカルティクラブといういかめしいところで、午後からお話をしなければならない日のお昼でした。

お昼ごはんはおいしかったけれど、ほんとうはこんなところでぶくぶくしている場合ではなく、どこかで原稿を読み上げてみて、声の大きさや話の早さを確認したいなあと思いながらも、ついぶくぶくしてしまっている、このような瞬間が、あの写真にはあったことになります。

あの写真のあと、一行は予定されていたもうひとつの用件として、大学院の授業に出て、授業の感想をお話する、ということを行いました。

発表予定時間の30分まえに会場にたどり着き、これでやっと原稿のチェックができる、と思ったお嬢さんが、かばんをあけて原稿が入っていないことに気付いて蒼白になるのは、このぶくぶくから約3時間後のことです。

写真は、ハーバード大学法学部の図書館棟です。道を急ぐお嬢さんの前方には、きのうの写真でいっしょに写っている方々がちらりと映りこんでいます。


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12月6日 (火)  クリスマスの街のこと

アーキヴィストの見習いをさせていただいている研究室のひとつは、今年の3月に、東京でもたいへんはなやかな街に移転しました。

気の早い街なので、ハロウィンがおわったとたん、もう街はクリスマスになりはじめ、12月に入った現在、もうまっさかりです。

帰り道の電車の始発の駅まで、小一時間も散歩すれば着くのもうれしく、クリスマス飾りの見物と電車の座席確保もかねて、このごろの帰り道はたいへんうきうきです。

まあ、たしかにすこし寒いことは寒いですが、貂の襟巻を二重に巻き、コートの前をきちんとしめてすいすい歩けば、そのうち暖かくなってきます。

写真は、アメリカの大学生にならって、外でお昼をたべているところです。クリスマスとまったく関係がなく、なんだか申しわけありません。すこし上目遣いで、セブンアップの入った紙コップをかかえたお嬢さんが映りこんでいます。
(後記:その後、お嬢さんの写真は差し換えをいたしました。いま写っているこの写真は、来年アメリカにいっしょにでかける熊のデイジーです)

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12月5日 (月)  まーすのこと

きょうは、父親が東京に仕事で来ていたため、夕方に待ち合わせて食事をすることにしました。

先週、おなじ約束をしていたところが、父のほうの用件で先送りになったこともあり、それならばきょうはちょっとお高いものにしてみましょうかと思ってはみたのですが、日帰りの父親の帰り足を心配しながらテーブルに着くのもせわしかろうと思い、東京駅の中で食事をすることにしました。

先週末、沖縄料理をごちそうになったことはこちらでも書きましたが、じつはそのおり、お話だけ伺いながらいただく機会のなかった料理のことが気にかかっていました。

それは、白身の魚を塩で煮ただけのもので、海の味と白身魚のやさしい味がとてもよいというのです。イタリア料理には、白身の魚を乾燥トマトや野菜といっしょに水煮のようにした、まさに「水魚」という料理がありますが、それを引き合いに出したところそんなものではないといいます。

大皿になるというので、ひとりでは大変だと思い、この機会に父と試してみることにしました。

東京駅の中にある沖縄料理店は、沖縄に本店があり、沖縄以外には東京駅の中のこのお店があるだけなのだそうです。アラカルトでいろいろいただこうと思ったのですが、父の帰り足を案じてコースにしていただき、追加のお皿として、くだんの塩煮魚をいただくことにしました。

塩煮魚は、正式な料理名をまーす煮といいます。まーすとは、沖縄の言葉で塩を意味するのだそうです。お汁を飲むにはすこしからい感じでしたが、小葱を散らした身に柑橘をしぼっていただくと、教えていただいた通りのやさしい味がしました。よい塩を手に入れて、そのうちこしらえてみようと思います。

写真は家の猫です。仕事のために研究室からスキャナをお借りしたおり、ついでにこの猫の写真も取り込んでみました。しっぽをきちんと足に巻いているところがポイントのようなものでしょうか。

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12月4日 (日)  飛行場のこと

昨日は飛行機のことを書きましたので、きょうはその続きと飛行場のことを書きます。

はじめて飛行機に乗ったのは、大学に入った年の夏、大学の姉妹協定先の韓国の大学に夏の講習を受けにでかけた時でした。旅券もこのとき取得しました。航空会社は大韓航空であったと思います。

その翌年の夏には、中国とその近隣に出かける用件があり、ふたたび飛行機に乗りました。これは、ほんとうは父親が団員として行かなければならない訪問団としての旅行でした。ですが、直前に父親が体調をくずし、家族のなかで、父親以外に唯一旅券を持っていたお嬢さんが急遽かわりをすることになったものです。

この旅行では、成田空港から北京空港までのほか、中国の国内と、中国と近隣までの移動で何度も飛行機に乗りました。どの飛行も短時間だったうえ、率直にいってまだ若かった時分でしたので、このころはまだ、飛行機が苦手だとは思いませんでした。

草色模様に塗られた飛行機や、むかしのソビエト製の飛行機に乗ったのは、この旅行でのことです。順安空港というところでは、牧童につれられた山羊がのんびり草をたべていたことを覚えています。

それからしばらく飛行機に乗る機会はなく、その次に飛行機に乗る機会がやってきたのは、大学院に入り、韓国の姉妹協定先の大学を再び訪れることになった時でした。このおりも、航空会社は大韓航空でした。

長時間の本格的な飛行をしたのは、2000年に家族でアメリカのいとこ夫妻の家を訪れた時でした。東京から、のりかえ地のアトランタまでの約11時間を満員のエコノミーシートできうきうと過ごし、はじめて、これは大変だぞ、ということを体感しました。その後、ことしのアメリカ訪問があり、いまは来年の再訪問を控えているところです。

このぐらい飛行機に乗っているのですが、航空会社の関係で、じつは、成田空港のあたらしいターミナルにはまだ行ったことがありません。来年のアメリカ行きであたらしいターミナルに立ち寄るのが、今からすこし楽しみです。

写真は、デトロイト国際空港ののりかえ待合室です。

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12月3日 (土)  にがてな乗り物のこと

アメリカにでかけるのは、緊張することでもあり楽しみでもありますが、じつはお嬢さんは飛行機に乗るのがあまり好きではありません。

4時間ほどの飛行で中国にでかけたり、1時間ほどの飛行機で中国の国内や中国と隣国とのあいだを飛んだりするのは、まあだいじょうぶでした。

ですが、アメリカの東海岸地方に出かけるには、いちばん最寄りのアメリカ国内の空港まででも12時間近くかかります。

目をつぶってみても、目がさめても、食事をしていても、高いエンジンの音がして足許がなんとなくふらふらしているというのは気味が悪いものです。

5月のアメリカ行きのおりには、こんなものを使うことがあるのだろうかと思っていた、座席の前ポケットに挿してある「衛生袋」を本来の用途に使ってしまいました。

すこしでも対策を講じようと、こんどの飛行には、飛行機でも使用できるノイズキャンセリング機能のついたヘッドフォンと、かるい睡眠薬を持っていく予定です。飛行機の席についたらさっさとお薬を服用してしまい、起こさないでくださいとお願いしてからヘッドフォンをあて、できるだけ寝ていようと思います。

長く飛行機に乗るのは苦手ですが、いっぽう、飛行場に行き、いろいろな飛行機がずらりと並んでいるのを眺めたり、飛行場のいろいろな施設を眺めてあるくのは大好きです。

写真は、マサチューセッツ州ボストンにあるローガン空港でとりました。この飛行機はアメリカの国内に就航しているちいさな飛行機会社のもののようです。

この空港は、待合室が海を眺める場所にあり、いちめんのガラス窓から、海と飛行機を眺めることができます。また、いちばん窓に近い場所には揺り椅子がいくつも置いてあり、とても居心地のよい場所でした。

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12月2日 (金)  沖縄料理のこと

きょうは、沖縄県に関係するお仕事をしておられる方からご招待をいただき、沖縄の料理をごちそうしていただきました。

沖縄料理のようなもの、は、じぶんでこしらえてみたことが何度かあるのですが、きちんとしたお店で、本式にこしらえた料理をいただくのは初めてでした。

いろいろな料理をいただいたので、書き洩らしがあるかもしれませんが、脂ののった白身魚のお刺身、へちまと豆腐を味噌で味付けたもの、沖縄式おでん、落花生のお豆腐、ゆでたらっきょう、などの料理をいただいた覚えがあります。沖縄式のおでんには、レタスとソーセージが入ることを教えていただきました。

お話が盛り上がって2軒目のお店につれて行っていただいたのですが、そこでは、ランチョンミートと卵焼きの盛り合わせ、お豆腐に小魚をのせたもの、塩漬け肉のつけ焼き、などをいただいた覚えがあります。

泡盛、というものも、まさに初めていただきました。私見ではありますが、日本酒よりやさしい香りがして、のんびりと甘やかな風味がします。帰路を心配してうすくこしらえていただいた水割りを4杯ほどいただき、うすめずに小さな盃に注いでいただいたものを2杯いただいたような記憶があります。

どなたかが送り届けて下さるのだと思っていたところが、帰路が逆とのことで、帰りはよたよたと電車に乗り、よたよた歩いて家にたどりつきました。まだ高揚したようなほにゃほにゃの気分を書き留めておくしだいです。

写真は、猫の山里の猫です。この猫にだけは首輪がつけてあります。

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12月1日 (木)  ブラウンバッグのこと

長い間日記をお休みしてしまいました。
ご心配をおかけした方々もあったようで、申しわけございません。

生身のお嬢さんのほうは、少し風邪をひいたりしながらもゆるゆるやっていたのですが、バーチャルお嬢さんのほうは、使ってきたマッキントッシュの具合が少しおかしくなり、ハードディスクを初期化したり、いくつかのソフトをあたらしく入れ替えたりとばたばたしておりました。

12月になり、来年のアメリカ行きのお話も少しずつ詳しくなってきました。
今回は、アメリカの大学でお話をする招待を受けておられる先生のお供としてアメリカに行くのですが、先生のほうがずっと旅慣れておられるので、ほんとうはわたしがいろいろな手配をしなければならない航空券も、先生が乗り継ぎや待ち時間を航空会社にたずねてくださり、いつのまにかとっておいて下さいました。

日程は2月28日から3月9日までで、ゆきはシカゴで入国をしてボストンに行き、ボストンでの用件を済ませたらニューヨークの国内線の空港に行き、ニューヨークでの用件を済ませたらニューヨークの国際線の空港から出国をして日本に帰ってきます。
これだけたくさん飛ぶことになるので、あわててマイレージに申し込みをしました。おそらく、日本のどこかに行って帰ってこれるぶんのマイルがたまるのではないかと期待しています。

ボストンとニューヨークでは、ハーバード大学で2回、コロンビア大学で2回、先生とわたしがお話をすることになっています。

そのうちひとつは、ブラウンバッグレクチャーという、お昼ごはんを食べながらのんびり聴いていただく気軽な会です。こちらはわたしが主にお話をさせていただくことになっています。といいますか、気軽な会なのですよと自分に言い聞かせないと、緊張してどうしようもありません。

はじめて会の名前を聴いた時には、ブラウンバッグさんというのはどんな方なのだろうとわくわくしていました。

ブラウンバッグが人名ではなく、めいめいがお弁当を入れて持って歩くバッグの名前なのだということを知ったのは、つい最近のことです。

写真は、フォッグ美術館の吹き抜けの様子です。吹き抜けの一階部分には、サンティアゴ・デ・コンポステラの寺院の石材の一部が使われているそうです。

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